自閉スペクトラム症(ASD)という発達障害をご存じですか?
”アスペルガー症候群”などともいわれていたりもしてきたようですが、近年では自閉スペクトラム症(ASD)という呼び名に統一されているようです。
私は、子供のころから大人になったアラフォーの今まで、ずっと”生きずらさ”を感じていました。
でも、「みんなストレスもあるし生きずらさも感じている」と思って過ごしてきて、自分の状態をあまり特別視したことがなかったのですが、30代前後や40代前後になってくると、周りの人や同年代の人とは自分がちょっと違っていることに気が付いてきました。
そんな私が自分自身の「生きずらさ」の原因をあれこれと探り、やっと発達障害の傾向があったことが原因であったことでこれからの生き方を見直していく分岐点に立った現在をご紹介していきます。
以前、ご紹介したブログ記事の中でも以下の記事がとても好評で、多くの方が人間関係の“こじれ”や”孤立”に悩んでおられるのかなと感じました。
【重要】職場でこじれた人間関係を修復するための5つのヒント
人間関係がうまくいかず、職場で”孤立”してしまったときの対処法。
もし、これらの記事を読んでくださったり、自分で一般的なコミュニケーションスキルなどを本や講座などでいくつか学んでも、”なんだか違う””理解はできるけれど、自分にはできない”と感じる場合は、一度発達障害の分野を調べてみることもよいかもしれませんので、今回の記事を参考にしていただけると幸いです。
という内容でご紹介いたします。
発達障害を持っていても、比較的軽度で子供のときに周りに気が付いてもらえなかったり、「コミュニケーションが苦手だな・・・」と思いながらも、自分自身でも発達障害だと気が付いておられない場合は、実は下記でご紹介していくようなことで困難や困りごとがおきているかもしれないので、よかったらご参考にされてください。
自閉スペクトラム障害(ASD)の人にみられがちな6つの特徴
自閉スペクトラム障害(ASD)の人には、以下のような特徴が見られることがあります。(ただし、個人によって症状や程度は異なる場合もありますので、ご自身の症状が当てはまるかなどが気になる場合は専門の医療機関で検査を受けてみてください。)
社会的なやり取りの困難
社会的な相互作用やコミュニケーションに苦労することがあります。他人との目を合わせることや、感情や意図を読み取ることが難しい場合があります。
興味や関心の狭窄
特定のトピックや活動に強い関心を持ち、それに集中する傾向があります。一部の人は特定のテーマについて非常に詳しい知識を持っていることがあります。
ルーティンと予測可能性へのこだわり
毎日の生活において、同じルーティンやパターンを好みます。予測可能性がある環境やスケジュールに安心感を感じることがあります。
感覚過敏または感覚過少
五感のいずれか、あるいは複数において感覚過敏または感覚過少の特徴が見られることがあります。例えば、光、音、触覚、味覚、嗅覚に対して過敏である場合があります。
非言語的コミュニケーション
言葉の使用に苦労する場合があります。非言語的なコミュニケーション手段(ジェスチャーや表情)を好むことがあります。
繊細な情緒や不安
情緒的な波が起こりやすく、ストレスや変化に対して敏感な場合があります。不安やうつ症状が現れることもあります。
これらの特徴は一般的な傾向ですが、自閉スペクトラム症(ASD)は広範囲にわたるため、個々の人にはさまざまな特徴が見られる場合があります。
私の長年の生きずらさの原因はASDが関係していた
私は、小学生中学年の頃から、学校に通うことへの疲れや人との関りへの戸惑いを感じている子供だったことを今でも覚えています。
集団行動することには気をはらないといけないためにとても疲れる毎日。そして、年齢が上がるごとに、「人には気分がある」ことを知ると同級生の子に対してもどう声をかけたらよいのかすごく気を遣ってとまどっていました。
そんな感じで中学・高校と過ごし、すごく孤立をしているわけでもないけれど、集団生活が苦手・すごく中のよい友達を作ることも苦手な学生時代を過ごしました。
そして、大学は心理系の学科に進んだときのこと。授業で発達障害の分野を習い、自閉症スペクトラム症の症状にとても敏感に反応した私は一緒に授業を受けていた友人に「私、自閉スペクトラムじゃない?」と聞いたそう。そしてその友人は日ごろの私の言動などから「(まだ資格も取得していない学生ながらも)そうだと思う」と、解答してくれていたのでした。
その後、心理の分野に興味を持ちつつも、専門分野の方向には進学学せずに大学卒業とともに一般の企業に就職した私は、自分が自閉スペクトラム症(ASD)かもしれないことをすっかり忘れ、社会人として働くことに一生懸命であり、営業職など忙しい分野に配属されていたので、日々の仕事をしていくことや日常を過ごすことに精一杯で生きていました。
仕事に目標をもち集中していた私は、上司などにも恵まれ成績を獲得していき社内表彰なども頂いていました。ただ、相変わらず、コミュニケーションが苦手。大きなトラブルを起こすわけではないけれど、人からの言動にはとても腹をたてていて内心収まらなかったり、何日も納得がいかないことにイライラして考えていたり、職場の同僚からちょっとしたことで無下に扱われたと感じたときは怒りが収まらずに距離をとったりもするようになっていました。
人とまったく関われないわけでもないけれど、自分なりに丁度よく人と関わったりすることが苦手。言われたことを真に受けて落ち込んだりすごく腹がたったりもしていました。
そして、その後、経歴を生かして転職した会社でも、業務には集中するので成績はとる・評価は受けるが、相変わらず業務的なことを中心にしか人と関われない。特に中途採用となると自分で関係を築いていくことも大切なスキルなのに、業務的なやり取りは支障なくこなせても、相手と仲良くなりながら関係を築いていくようなことはできず。常に孤独感も感じていました。
そんな中、仕事にはとてつもなく励んでいた(今おもえば、業務自体が自閉スペクトラム症(ASD)による”こだわり”になっていた)私は、働きすぎで心身を崩し、傷病休暇を取得した後に会社からの引き留めも受け入れることができずに退職。
その後、少し体を休めた数カ月をすごしたあと、働き始めるも、その後は異分野に転職したこともあり、仕事では成績を獲得できても人間関係の構築がさらに難しい部分が目立つようになり転職をすることになっていきました。
30歳前後では、コミュニケーションのスキルが仕事のためにも必要だと思いNLP(神経言語プログラミング)を学んで資格をマスターまで取得しました。その内容は仕事でもプライベートでも役立ったのですが、なぜか補いきれない感覚がありました。
そして、その後も、仕事の成績はとれるのだけれど、職場での人との関係が築けない苦しさや(パワハラなどではないものの)私の発言に腹をが立てられるようなことが続き退職に追い込まれるようなことがありました。
また、職場の環境によっては、有線などの音楽などが流れているとイライラしてしまい仕事に集中できなかったり、業務に集中しているときに人に話しかけれれる、途中で他の業務が入ることにイライラしてしまったりも。
さすがに、悩んできた私は自分でネットなどを調べ、これまでのことは経験や性格などもあるかもしれないけれど、自閉スペクトラム症(ASD)の傾向が当てはまっている気がするのでそのために起きているのではないかと思い、専門の医療機関で診断に関わるテストを受けました。
しかし・・・
今から4年前に受けたその病院では、知能テストだけしか行われておらず、顕著な傾向がそのテストからは出なかったために自閉スペクトラム症(ASD)との診断はでませんでした。
その後も、仕事では成果を出せるけれど人間関係を気付くことが苦手で働くことが苦しくなることや、プライベートでも人とちょうど良く関わることが難しいと悩むことが多かった私は、今年2023年の春に「大人の発達障害」をキーワードにして県のホームページなどから医療機関を調べ、細かく診断に関わるテストをおこなってくれる医療機関で診断のテストを受けて、自閉スペクトラム症(ASD)の傾向があることやその二次障害として強迫神経症や不安障害の傾向も出ていることが分かったのです。
ちなみに、私がなぜADHDなど他の発達障害ではなく、自分としても自閉症スペクトラム症ではないかと確信していたのかは、こちらのYoutubeチャンネルにであえ、細かく自閉スペクトラム症(ASD)の原因を知ることができたからでした。
自閉スペクトラム症(ASD)に限らず、発達障害に関してその特徴や傾向、注意点や就労のポイントなども紹介されているので、気になる方は是非みてみてください。
まとめ
今回は、長年の生きずらさの原因判明。ASDの診断を受けましたという内容でご紹介させていただきました。
私は、子供のころから感じていた生きずらさや仕事などへのこだわり、コミュニケーションの苦手さ、人間関係の構築の難しさが年齢が上がるごとに顕著になり、発達障害を取り扱っている心療内科で診断のテストを受けることになり、やっと今までの生きずらさの原因が判明ました。
もし、今まで生きてきた中で「なんだか普通の人とは違う気がする」「問題解決や生きやすくするためにコミュニケーションなどを学んだけれど、違う部分に原因があるようか気がする」など感じる場合は、自分を知る・自分が生きやすくなるために発達障害なども調べてみるとよいかもしれません。
”発達障害の傾向がある・そのために○○が困難である”ということがわかると、自分を生きやすくしていくために補うスキルや周りに希望する支援などが見えてきます。
最後に
障害があると分かったとき、ご自身の希望に応じては、職場などに障害を開示して理解を求めることで働きやすくしていくこともできます。
一般的に転職支援機関で有名なdodaさんでは、
として、障害特性に合わせた転職支援もされています。
大手・優良、外資系、ニッチトップ企業まで幅広い求人をもち、 障がいの種類(身体・精神・知的)も幅広くサポートされていますのでまずは登録されてみてください。
(障害者手帳申請中でも登録はできます。事前に登録しておき手帳を取得でき次第、障害の等級などを登録し、転職サポートを開始できます。)
大手企業は福利厚生がよいのも魅力。障害者雇用枠やその企業の特例子会社に雇用されるとその企業の福利厚生が一般の従業員と同様に適用される場合があると聞きます。もちろん、その企業の方針や個々の障害に応じた契約状況も関係しますが、大手企業に就職を目指すことは”障害者”であることを上手に活用して労働条件のよい就職をする1つの方法になるかもしれません。
また、
障害だけでなく、ストレスで体調を崩してしまって通常の就活ができない・うつ病などの疾患を患った場合などの時は「就労移行支援」に通所する選択もあります。就労に向けて自分に必要な経験・スキルを積んだり、配慮ある職場への就職を目指す・就職後もサポートを受けながら安定して働くことを目指していくための場所です。
私が住んでいる県では、この1-2年でも就労移行支援の機関が増えている様子。
それぞれの就労移行支援事業所によってカリキュラム内容や特徴が異なるので、通所可能なエリアの就労移行支援をいくつかピックアップして実際に就労相談をしたり事業所見学をし、自分にあったプログラムや雰囲気の合う事業所を選ぶことが大切です。
ちなみに私は、5つの就労移行支援事業所に連絡をし、すべての事業所に就労相談と事業所見学をしてから自分に合う就労移行支援事業所を決めました。
就労移行支援とは
就労に困難を抱えている方のために、一般企業への就職を目指していくためのサポートを行っているところです。
利用するためには、診断を受けた医療機関の医師より「意見書」または「診断書」などを頂き、それをもって地域の福祉課などに申請。申請が通れば利用することができます。
利用料については前年の世帯収入に応じて区分されます。
*LITALICOワークスさんホームページより
訓練期間は最長で2年間。週5日の通所を目指してカリキュラムを受けながら働く基礎を整えたり、応募書類作成・面接対策、個別面談、企業訪問への同行などのサポートをうけ就職を目指します。就職後は定期的に面談などのサポートを6カ月受けることができ、それが経過した後は最長で3年間の定着支援を受けることができます。
訓練の内容は機関ごとに内容・特徴が異なりますが、通所することで生活指導・ストレスマネジメント・ソーシャルスキルマネジメントなどのプログラムを学んだり、WordやExcelなどのビジネススキルを学んだり、中にはITに特化して学ぶことができる事業所もあります。
たとえば、このような就労移行支援を行う中でも上場しておられて規模も大きくされているのは
さん。
私が実際に見学訪問したLITALICOさんの事業所では、公認心理士の資格をもった方が施設の責任者をして管理される環境の中で運営されていました。サポートしてくださるスタッフの方も、異業種からの転職されてきた方もおられ、いろんな社会経験を生かして一般企業への就労サポートをされているのかなと感じました。
また、同じように上場されている就労移行支援機関さんには
お仕事復帰や自立を全力サポート | 就労移行支援のCocorport(旧社名:Melk)さんもあります。
Cocorportさんでは500種類以上の多種多様なプログラムを提供されており、 特に、就職後の安定した職場定着を見据え、 コミュニケーションスキルやストレス耐性を身に付けるトレーニングに力を入れておられます。 多くのプログラムが受講できることで、WordやExcelなどのビジネススキル、ビジネスマナー、SSTなどのグループワークを通して、自分の課題を見つけ対策を取れたり就労の準備ができるのは魅力的です。
障害があるなどのために
- 仕事が長く続かない
- 人間関係が苦手
- ストレスの対処法がわからない
- 働く自信がない、怖い
- 働きたいけれど何から始めればいいのかわからない
- 企業に就職するスキルを身に着けたい
- 自分にあう仕事や職場をみつけたい
- 面接が不安、応募書類の書き方で困っている
と悩んでおられる方は、
就労移行支援の
障害者のための就労移行支援事業所 LITALICOワークスさんなどにまずは就労相談をしたり、実際に事業所見学をしてから自分に合う就労移行支援を選び、そこに通所しながら就労を目指したり、
障害者手帳を取得できてからは、大手企業の障害者求人の取り扱いをされている
障害者の就職・転職なら【dodaチャレンジ】さんに登録して、障害者雇用がある企業紹介も受けながら就職活動を進めていかれてはいかがでしょうか。
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