今までの人生は「発達障害があるかもしれない」とたまに頭をよぎることはあっても、目の前の仕事などに追われる日々があったり、ガムシャラに働いて30歳までには上場企業で役職をもっていたいと奮闘していた私は、「努力すればなんとかなる!」と常に走っていました。
でも、年齢が上がるごとに社会に適応できない部分が増えてくることでついに限界を迎え、検査を受けたことで昨年41歳のときに発達障害があると分かりました。
障害があると分かったことで障害者としての人生に切り替え始めると、日本には自分のような発達障害者でも利用できる福祉サービスなどがあることがわかってきました。
これまでは健常者としてなんとか普通に生きようと本当は障害故にハードルの高いことを努力してきた私だけれど、今後は発達障害がある自分自身を受け入れ福祉サービスを利用させていただいて自分を大切にして生きやすくしていこうと思いました。
今回は、
大人の発達障害。自分を癒し大切にする7つのヒント。
と題してご紹介していきます。
*私は、福祉関係の事業者でも、専門の医療機関に勤める者でもありません。ただ、昨年41歳のときに長年生きづらさを抱えていた原因が自閉スペクトラム症(ASD)があるからでもあったことが専門の医療機関の検査を受けてわかり、現在は就労移行支援の事業所に通所してますので自分の経験を踏まえてご紹介させていただきたいと思います。
皆様の参考になると幸いです。
大人の発達障害だからこそ”自分で自分を大切に”していく
子供のころから、「自分は容量がいい方ではないし、頭もいい方ではないけれどコツコツやっていこう」と自分なりに思っていました。そうやって時間をついやし努力したことはテストの点数などに反映していたように思うので、自分にはその方法しかないと思っていました。
社会に出てからは私的な多くの時間を費やして努力し上場企業で役職についたこともありましたが、仕事でもプライベートでも発達障害があるゆえに時間がかかること周りを察することができない・コミュニケーションエラーが重なってくるとついに限界を超え体調を崩してしまいました。
アラフォーになって発達障害があると分かったこと、社会人経験20年程度を超えた今だから気が付くのは、「その発達障害ゆえにかなり困難なことも、周りと同じかそれ以上になるためにかなり頑張ってきたのではないか」ということでした。
これまでの努力は社会で生きていく上で必要だったので無駄だとは思いませんが、これからは自己理解を深めて自分がもつ発達障害ゆえに難しいことを理解して自分を大切にしていきたいと思っています。
いくらお金をかけて有名なコミュニケーションスキルを学んだり、自己啓発や仕事に役立つ本を読んでも、個人の発達障害の程度に応じて超えられない壁もあったように思います。
そこまできたら、良い意味で”諦め”も大切。
これまで、努力しても誤解されて傷ついてきたこともありました。
これからは、「みんな(健常者)と同じようになるために頑張って疲弊するのではなく」
発達障害がある自分を認めて、福祉サービスなどに助けていただきながら自分らしい人生のために舵きりをしてもいいと思いました。
発達障害であるからこそ、自分を癒し大切にしていく7つのヒント
大人になって発達障害であるとわかったからこそ、これまでの自分を癒し、これからは自分を大切にしていくヒントをいつかご紹介します。
自分でできることや福祉制度、専門機関を活用するための具体的な例です。
自己認識と受け入れ
- 自分の発達障害について正確な理解を深め、受け入れていきましょう。同じ発達障害であっても程度などの差があります。自分を否定せず、個々の特性や強みを理解することは、自分を大切にすることに繋がります。
障害の知識を増やす・専門家への相談
- 私のように大人になって発達障害が分かった方は、これから自分の障害について理解を深めていくことが大切になります。私の場合年齢が上がってきた今だからこそ、これまで自分の性格だと思っていたこと、何度やってもうまくいかなかったこと、常に同じ事で悩んできたことは自分の発達障害の特性でもあることに気が付いてきました。
この数年では専門の方がYoutubeチャンネルでも発信しておられるので拝見することで、自分では今まで気づかなかったような自分の発達障害の特性に気付くことも出てきました。
「そうか、このことは発達障害がゆえにできなくてしょうがなかったことなのかもしれない」と分かるだけでもとても心が楽になります。
- 心理療法やカウンセリングを受けることで、これまで傷ついてきた心を癒し自分を理解しやすくなる可能性があります。診断を受けた専門の医療機関などで、発達障害に特化した専門家や臨床心理士(公認心理士)の方に定期的にカウンセリングをうけてみるとよいかもしれません。
ちなみに最近では
365日いつでも気軽にオンラインで有資格の心理カウンセラーに相談できるサービスもあります。
に会員登録されて利用されてみてはいかがでしょうか。
カウンセラーは、臨床心理士や公認心理師、精神保健福祉士、EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)など 専門資格を全員が保持されており、仕事の悩みや対人関係、心の悩みを抱えた方を対象として相談対応をされています。
支援団体やコミュニティの参加
- 地域の支援団体やオンラインコミュニティに参加し、他の発達障害のある人たちと交流することで、共通の経験を共有できます。
たとえば、地域の障害者職業センターでは、障害者職業カウンセラー等を配置し、ハローワーク(公共職業安定所)、障害者就業・生活支援センターとの連携のもと、就職や職場復帰を目指す障害のある方、障害者雇用検討あるいは雇用している事業主の方、障害のある方の就労を支援する関係機関の方に対して、支援・サービスを提供されています。
参考サイト:地域障害者職業センター 一覧
スキルアップセミナーや職業適性検査なども行われており、発達障害の診断を受けた医療機関の結果とは別に、ご自身の職業への適性を検査もしてくださいます。
福祉制度の利用
- 私のように発達障害の場合は診断を受けててから半年後にはなりましたが、診断を受けた医療機関で障害者手帳のための「医師の診断書」を取得し地域の福祉課へ申請をすると、(無事に申請が通れば)障害者手帳を取得することができます。
障害者手帳が取得できた場合には、「障害者雇用」としての求人に応募することができたり、地域で定める障害者割引制度などを利用することができます。
参考記事:大人の発達障害。検査や診断を受けるメリット・デメリット
近年では障害者手帳を提示しなくても、障害者手帳を登録したアプリで割引サービスが受けられるようになっていますので、県外などで利用する際もより便利です。
障害者手帳をスマホに表示 ミライロIDは日本全国の障害者向け割引サービスなどが確認できます。
障害者割引は、美術館などの公共施設をはじめいろんな場所で受けることができます。障害者割引がある場所で気分転換をさせていただいて、精神的は安定を図ったり、障害者ライフを楽しむこともよいと思います。
職場への相談
- 障害者手帳を取得して「障害者雇用」として働く場合が中心にはなるかと思いますが、職場においても、必要な支援を受けるために上司や人事部と相談することができます。労働環境の調整や理解を得ることで、働きやすい環境で仕事ができる可能性があります。
また、再就職・転職の際に、就労移行支援機関を利用していた場合は、就職後に定着支援を受けることができるので、より会社にご自身の障害を理解していただいたり、困りごとがあるときには就労移行支援機関を通して会社に伝えていただきながら調整していくこともできる場合があります。
参考記事:大人の発達障害。就労移行支援を利用する手順とメリット
:大人の発達障害。就労移行支援を利用するメリット7選
日常の調整
- ご自身で自分の障害特性を理解できてきたり、障害者雇用で配慮ある環境での就労ができるようになると、生活全般のスケジュールや環境の調整が行いやすくなる可能性があります。それによって、以前よりはストレスを減らしながら自分を大切にした日常が送りやすくなるかもしれません。
自分自身の障害を理解して、日常から自分を大切に扱っていくことはとても癒しになります。
健康管理
- 障害があるなしに限らずですが、良好な身体的健康は精神的な健康にも影響します。
発達障害があると分かっていなかったときは、一般と同じように物事を進めていくために心も体も無理をしていたかもしれません。ここで改めて、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などを心がけて自分を労りましょう。
まとめ
今回は、
大人の発達障害。自分を癒し大切にする7つのヒント。
と題してご紹介させていただきました。
発達障害があることがわかったとき、ご自身でも意識して自分を大切に扱うようにできるようになったり、福祉制度を利用していくことや配慮ある環境で働くことで、これまでの自分を癒し障害に合う生きやすさを手に入れるきっかけとなります。
ご参考にしていただけると幸いです。
最後に
障害があると分かったとき、ご自身の希望に応じては、職場などに障害を開示して理解を求めることで働きやすくしていくこともできます。
一般的に転職支援機関で有名なdodaさんでは、
として、障害特性に合わせた転職支援もされています。
大手・優良、外資系、ニッチトップ企業まで幅広い求人をもち、 障がいの種類(身体・精神・知的)も幅広くサポートされていますのでまずは登録されてみてください。
(障害者手帳申請中でも登録はできます。事前に登録しておき手帳を取得でき次第、障害の等級などを登録し、転職サポートを開始できます。)
大手企業は福利厚生がよいのも魅力。障害者雇用枠やその企業の特例子会社に雇用されるとその企業の福利厚生が一般の従業員と同様に適用される場合があると聞きます。もちろん、その企業の方針や個々の障害に応じた契約状況も関係しますが、大手企業に就職を目指すことは”障害者”であることを上手に活用して労働条件のよい就職をする1つの方法になるかもしれません。
また、
障害だけでなく、ストレスで体調を崩してしまって通常の就活ができない・うつ病などの疾患を患った場合などの時は「就労移行支援」に通所する選択もあります。就労に向けて自分に必要な経験・スキルを積んだり、配慮ある職場への就職を目指す・就職後もサポートを受けながら安定して働くことを目指していくための場所です。
私が住んでいる県では、この1-2年でも就労移行支援の機関が増えている様子。
それぞれの就労移行支援事業所によってカリキュラム内容や特徴が異なるので、通所可能なエリアの就労移行支援をいくつかピックアップして実際に就労相談をしたり事業所見学をし、自分にあったプログラムや雰囲気の合う事業所を選ぶことが大切です。
ちなみに私は、5つの就労移行支援事業所に連絡をし、すべての事業所に就労相談と事業所見学をしてから自分に合う就労移行支援事業所を決めました。
就労移行支援とは
就労に困難を抱えている方のために、一般企業への就職を目指していくためのサポートを行っているところです。
利用するためには、診断を受けた医療機関の医師より「意見書」または「診断書」などを頂き、それをもって地域の福祉課などに申請。申請が通れば利用することができます。
利用料については前年の世帯収入に応じて区分されます。
*LITALICOワークスさんホームページより
訓練期間は最長で2年間。週5日の通所を目指してカリキュラムを受けながら働く基礎を整えたり、応募書類作成・面接対策、個別面談、企業訪問への同行などのサポートをうけ就職を目指します。就職後は定期的に面談などのサポートを6カ月受けることができ、それが経過した後は最長で3年間の定着支援を受けることができます。
訓練の内容は機関ごとに内容・特徴が異なりますが、通所することで生活指導・ストレスマネジメント・ソーシャルスキルマネジメントなどのプログラムを学んだり、WordやExcelなどのビジネススキルを学んだり、中にはITに特化して学ぶことができる事業所もあります。
たとえば、このような就労移行支援を行う中でも上場しておられて規模も大きくされているのは
さん。
私が実際に見学訪問したLITALICOさんの事業所では、公認心理士の資格をもった方が施設の責任者をして管理される環境の中で運営されていました。サポートしてくださるスタッフの方も、異業種からの転職されてきた方もおられ、いろんな社会経験を生かして一般企業への就労サポートをされているのかなと感じました。
また、同じように上場されている就労移行支援機関さんには
お仕事復帰や自立を全力サポート | 就労移行支援のCocorport(旧社名:Melk)さんもあります。
Cocorportさんでは500種類以上の多種多様なプログラムを提供されており、 特に、就職後の安定した職場定着を見据え、 コミュニケーションスキルやストレス耐性を身に付けるトレーニングに力を入れておられます。 多くのプログラムが受講できることで、WordやExcelなどのビジネススキル、ビジネスマナー、SSTなどのグループワークを通して、自分の課題を見つけ対策を取れたり就労の準備ができるのは魅力的です。
障害があるなどのために
- 仕事が長く続かない
- 人間関係が苦手
- ストレスの対処法がわからない
- 働く自信がない、怖い
- 働きたいけれど何から始めればいいのかわからない
- 企業に就職するスキルを身に着けたい
- 自分にあう仕事や職場をみつけたい
- 面接が不安、応募書類の書き方で困っている
と悩んでおられる方は、
就労移行支援の
障害者のための就労移行支援事業所 LITALICOワークスさんなどにまずは就労相談をしたり、実際に事業所見学をしてから自分に合う就労移行支援を選び、そこに通所しながら就労を目指したり、
障害者手帳を取得できてからは、大手企業の障害者求人の取り扱いをされている
障害者の就職・転職なら【dodaチャレンジ】さんに登録して、障害者雇用がある企業紹介も受けながら就職活動を進めていかれてはいかがでしょうか。
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