前回は、私自身の診断テストによる結果が、極端な数値を示すまでではなかったため、私の状態を踏まえてご紹介するために「軽度」と表現させていただいて、一般的な自閉スペクトラム症(ASD)の軽度の人に見られる症状・特徴を私自身の症状もふまえてご紹介させていただきました。
自閉スペクトラム症(ASD)の軽度の人に見られる症状・特徴とは~私自身の症状・特徴もご紹介~
今回は、
一般論や私自身の経験も踏まえ、自閉スペクトラム症(ASD)の軽度の人はなぜ大人になってから気が付くことがあるのか
という内容でご紹介いたします。
自閉スペクトラム症(ASD)の軽度の場合、なぜ大人になってから気が付くことがあるか
自閉スペクトラム症(ASD)は、個人によって異なる特徴・症状を持つ発達障害です。軽度の自閉スペクトラム症(ASD)の人々が大人になってから気づくことがある理由は、いくつかの原因があると思われます。
診断の進化
過去に比べて自閉スペクトラム症(ASD)の認識と診断方法が向上してきました。したがって、子供の頃に自閉スペクトラム症(ASD)として診断されなかった人々が、成人後により正確な診断を受けることがあります。
マスキングやコンピンサティング
軽度の自閉スペクトラム症(ASD)の人々は、症状を隠すために努力したり、社会的なスキルを獲得するためにコンピンセイト(補償)することがあります。これにより、子供の頃には自閉スペクトラム症(ASD)の特徴が明確に現れず、大人になってから気づくことがあるかもしれません。
成長と発達
自閉スペクトラム症(ASD)の症状は個人によって変化することがあります。また、多くの人は大人になるにつれて社会的なスキルや認知能力を向上させることができるため、自閉スペクトラム症(ASD)の人は年齢が上がるに従い周りと比べて特徴がより明確になることがあります。
環境の変化
大人になると、新しい環境や社会的な要求が増えることがあります。これにより、軽度の自閉スペクトラム症(ASD)の人々が自身の特性に関する違和感を感じることがあり、自閉スペクトラム症(ASD)kかもしれないと気が付くことがあります。
ただし、自閉スペクトラム症(ASD)の特徴を大人になってから気づくというのは、すべての軽度の自閉スペクトラム症(ASD)の人々に当てはまるわけではありません。育った環境や周りの方の配慮によっては、子供のころに気が付いてもらえていることもあります。
子供のころには周りの方に気が付いてもらえなかったり、自分自身でも個性や性格と思っていたことでも、自閉スペクトラム症(ASD)に似た症状があることを自覚してきたり、自分自身が生きにくさ・違和感を感じていたりするのであれば専門の医療機関に相談し、なんらかの発達障害の可能性があるのかを判断してもらう機会をもつことが大切です。
自閉スペクトラム症(ASD)の軽度の私の場合、なぜ大人になってから気が付いたのか
こちらの記事でも紹介させていただいたのですが
長年の生きずらさの原因判明。ASDの診断を受けました
私は、小学生の中学年ごろから、自分自身が他の人と仲良くなる方法に戸惑っていること(人間関係が苦手)なことは自覚がありました。
そして、一人暮らしをはじめ大学生になったころから、周りがよく見え始めたあことで”自分は一般的な多くの人とはちょっと違うかもしれない”と感じることが多くなっていました。
大学時代は心理学を学び、発達障害についても触れていたので、自閉スペクトラム症(ASD)の症状を学んだときは、大学時代の友達いわくとても反応していたそう。
でも、それまでに両親や学校など周りの大人から発達障害の疑いをもたれたことのなかった私は、自分自身の中には日常での生きずらさをかかえながらも、就職して社会に出てからはその忙しさで我を忘れるように働き(この仕事に没頭してしまっていたこと自体も今から思えば自閉スペクトラム症(ASD)の傾向だったのではないかと思います)、”発達”障害”という言葉をすっかり忘れている時期もありました。
そして、年齢が上がるにつれて一般的には習得していくような社会的なスキルや認知能力を向上が追い付いていないことで、周りから指摘を受けることが発生してくることで、やっと自閉スペクトラム症(ASD)かもしれないと悩んでいたことを思い出し、今から4年前に専門機関で診断テストを受けるもその診断ははっきりでることはなく、さらに生きずらくなったことで今年の春に前回とは違う専門の医療機関で再度より詳しい診断テストを受けたことでやっと自分自身が自閉スペクトラム症(ASD)であることが判明したのです。
私の場合、子供のころから周りに気が付いてもらえなかった原因は
- 苦手なことは、できるだけ自分で補おうと対処していた
- その対処している姿が、子供の頃や社会人の中でも若いころは”素直そう””努力する子”に映り、周りに高評価になっていた
- 自分自身の中では周りに追いつくために苦しくても、常にその対処を頑張っていたので、時間がかかったとしても結果的には勉強や仕事などで成果を出せることが多かっため、結果しかみていない人には、”頭がよい”ようにさえ思われていた
- 自閉スペクトラム症(ASD)のためか、日常でも仕事でも苦手なことが多い意識があったので、常に”自分はできない”意識があり、”周りが出来ている・正しい”という思い込みがあり、社会人になっても若いころは自分を強く抑えて謙虚にしていることが多かった。
ということなどがあったように思います。
そして、30代半ば、40代前後の年齢になる中で、年齢が上がるにつれて一般的には習得していくような社会的なスキルや認知能力を向上が追い付いていないことがより顕著になったりました。
キャリアがあることについては社会人としての配慮よりも”会社のために”とはっきりとした発言をするようになったり、転職した際に環境が変わると音などの感覚過敏でイライラすることが顕著になったり、悩みを解消しようとNLPなどのコミュニケーションスキルを学んでも根本の自分の悩みまでは解決できなかったりして、年齢が上がって生きやすくなるどころか、特に職場では人間関係がうまくいかず周りから私の”人間性”について指摘を受けるようなことが増えていき、どんどん生きにくくなっていました。
端的にいえば、(繰り返しになりますが)
”年齢が上がるにつれて一般的には習得していくような社会的なスキルや認知能力を向上が追い付いていないことがより顕著になった”ことで、アラフォーにまでなった大人になってから気が付けたのです。
そしてそれが、専門の医療機関で診断をうけていく行動につながり、2度目の診断テストで、やっと自分が自閉スペクトラム症(ASD)という発達障害があることが分かったのでした。
まとめ
今回は、
一般論や私自身の経験も踏まえ、自閉スペクトラム症(ASD)の軽度の人はなぜ大人になってから気が付くことがあるのか
という内容でご紹介させていただきました。
発達障害があるかに早期に気が付くことができるかは、やはり両親や学校の先生など身近な大人が気が付いてあげることができるかどうかも大切だと思います。
でも、比較的軽度の症状であったり、自分で対処し適応して頑張ったり、若い時は”がんばり””個性”として認めたり許してもらえるときは周りからなかなか発達障害として気が付いてもらうことは難しい場合もあるかもしれません。
でも、”年齢が上がるにつれて一般的には習得していくような社会的なスキルや認知能力を向上が追い付いていないことがより顕著になった”ときに、私の場合はやっと自分が発達障害であることが分かりました。
自閉スペクトラム症(ASD)に限らず、いくつかの症状が当てはまって発達障害の傾向を感じたりしているかたは、今後の人生を自分自身を知ることで生きやすくしていくために、専門の医療機関などに相談・診断の機会をもたれてはいかがでしょうか。
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